普段あまり都心に出ることはないのですが、機会があれば用事のついでに散策するのが楽しみです。
以前から行ってみたかった紀尾井町にある李王家邸。
現在は赤坂プリンスクラシックハウスとしてカフェやレストランとして使用されています。
アイスコーヒーを注文後、女性店員さんに建物の中を少しだけ見てまわりたいのですがとお願いしたところ、どうぞご覧になってくださいと快く言っていただきました。(通常は一般公開されていません)
どことなく東京都庭園美術館の朝香宮邸に雰囲気が似ていると感じました。
帰ってから調べてみると李王家邸は宮内省内匠寮の北村耕造、権藤要吉らによって設計されたとあり、朝香宮邸にも権藤要吉が深く関わっているそうで建築時期も近いことから、多くの関係者が両方の建築に関わっているようです。
アール・デコ調のデザインも朝香宮邸に重なる雰囲気があります。
権藤要吉は1925年(大正14年)のパリ万国博覧会(アールデコ博)を視察し、欧米派遣中ロンドンで朝香宮夫妻と親交を深めたそうです。
2つの建物を見比べながら、ここは共通している、ここはオリジナルだなどと想像しながら見ているととても楽しいです。
設計に関わった技師や職人さんたちのセンスやこの時代の空気感が伝わってきて、とても心地良い空間でした。
2012年から2016年の赤坂プリンス再開発時にこの李王家邸は曳家で敷地隅に移動させられたため首都高から見ることができ、その時初めてこの建物の存在を知りました。いつか中に入ってみたいと思っていたので今回ようやく念願叶いました。
この地はかつて紀州徳川家の中屋敷→北白川宮邸→李王家邸→堤康次郎に買い取られ赤坂プリンス、そして現在は東京ガーデンテラス紀尾井町となっています。 写真は再開発時に出土した北白川宮邸の遺構です。
歴史的にも美術的にもとても貴重な建物なので大切に保存して後世に残していただければと思います。
朝香宮邸訪問時の記事はこちら