7年経過症例
以前仙台の学会で発表した症例が術後7年経過しました。
破損や脱離で修復物の再製作などの修理はしていますがインプラント本体、骨、歯肉、残存歯の状態は全く変化せずに経過しています
これはひとえに患者さんご本人が口腔内の清掃管理をしっかりされていて、更に定期検診にも熱心に来てくれることが最大の要因だと思われます、しかし私自身正直ここまで変化がないことには驚いています。一般的には時間の経過とともに歯肉が退縮してきたり、顎堤が瘦せてきたりするものなのですが。
歯科治療においては最初の治療で全顎的に最も理想と考えられる処置を行い長期にわたって安定した口腔状態を目指す場合と、最初はそこそこの介入に留めておいて、その後患者さんとの長いお付き合いの中で変化に応じて徐々に治療を進めていく場合とがあると思います。
どちらを選択するかは患者さんの価値観、担当歯科医の診療方針や診療哲学などによって決まっていくものであり、どちらの考えも正しく、医療に絶対的な正解はないと思っています。しかし自分自身や家族が治療されるならこういう治療をしてもらいたいというのが私の診療のベースになっているので、私個人の好みとしてはやはり前者が理想です。