埋伏歯を牽引する
当院では開院以来、天然歯支台の延長ブリッジ(カンチレバー)は処置したことがありません、理由は構造的に問題があると考えているからです、そのため歯の欠損が生じたときの対応にはいつも悩みます。

初診時の状態、他院にて7番を抜歯し、最終的に延長ブリッジによる補綴治療の説明を受けたとのこと。

しかし埋伏している8番があったので、なんとかこれを利用する手はないかと開窓牽引を提案、患者さんからの同意を得ます。

クローズドコイルにて牽引開始。

1か月後、歯冠が見えてきました。

開始から4か月、近心へ移動しています。

7か月後、予定の位置まで移動完了。

2か月の固定期間を経て、形成を行い補綴処置へ。

補綴装置装着後の状態、咬合状態も良好です。

先月横浜で行われた日本矯正歯科学会においても埋伏歯の牽引がトピックとなってました。
当院では欠損治療に対して隣在歯に負担のかからない治療(歯牙移植、矯正、インプラント)をまず第一選択とし、それらの治療が困難な場合にブリッジ、入れ歯といった治療法を患者さんに提案しています。患者さんご自身に適した治療法を選択していただけるよう心がけています。