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トップダウントリートメント

『トップダウントリートメント』とはインプラント治療において用いる用語であり、補綴主導型インプラント治療のことを指します、具体的には最終補綴の位置や形態を最優先にしてインプラント埋入方向や埋入位置を決めることを言います

対して骨のあるところにインプラントを埋入し、それに合わせて補綴物を作っていくことを、外科主導型インプラント治療と言います

昨今、外科主導型が主流だったのが補綴主導型に考え方が移行してきたのには、インプラント治療が円熟期に入り、オッセオインテグレーション(骨とインプラントの結合)の理論や骨造成の技術に信頼性が得られるようになってきたということが背景にあります

またインプラントと骨の結合よりも、治療後のインプラントの永続性を維持することに、歯科医の視点が移ってきたことが挙げられます

「インプラントと骨を結合させることは十分クリアできた、次はインプラントをどこまで長く持たせられるか」ということが現在の歯科界の課題になったということです

インプラントの永続性に大きな障害となるのが、インプラントの歯周病(インプラント周囲炎)です。骨と接しているはずのインプラントのラフサーフェス(微小粗雑構造)面にプラークや歯石といった汚染物質が沈着してしまうと、天然歯のようにルートプレーニングやフラップオペレーションによって取り除くといったことができません。
一説には一度、細菌の侵入を受けると天然歯の3倍の速さで周囲組織の破壊が起きるとも言われています。

よって患者さんのプラークコントロールだけに依存することなく、できる限り食渣の停滞やプラークの沈着を防ぎ、自浄性に優れた補綴物を作り周囲組織が安定する様に歯肉をマネージメントする必要があります、そのために補綴主導型でインプラントの埋入位置を決めるという流れになってきたのだと思います。

このようにトップダウントリートメントはインプラントの審美性にとって重要ですが、周囲組織の永続性にも効果があると考えられます、ただし何でもかんでもトップダウントリートメントが優れているという訳ではありません。わざと中心から外した位置に埋入することもありますし、骨量の多い安全な場所に埋入した方がいい場合もあります、要はケースバイケースということです。

 

 

骨量が十分あれば理想的な位置に難なく埋入することが可能です、しかしすべてのケースがこのように整った環境とはいきません。