インプラントのメンテナンス
今回はインプラントのメンテナンスについて。。
天然歯の場合、歯周病の進行がひどくて、歯を支えている骨が大きく失われたとしても、その時点で、きちんとした歯周治療を行えば、ある程度進行を食い止めることはできます(歯として物を噛み砕く能力があるかどうかは別として)
しかしインプラントの場合、周囲炎が進行してしまうと、歯科医がどんなに介入しても進行を食い止めることは、ほぼ出来なくなります。この場合インプラントがロスト(脱落)するまで待つか、もしくは撤去するしかなくなります。
ですから感染の兆候を少しでも早く見つけるために、当院では6か月に1度の定期検査をお願いし、同意書にサインをしてもらっています。
ここまですると大抵の患者さんは、きちんと6か月に1回の検診を受けてくれるのですが、ごく稀に、全く来なくなってしまう強者(?)の患者さんがいらっしゃいます。。
上の写真の患者さんは治療完了後、1度も来院されることなく、『検診のお知らせ』にも、全く音沙汰無し、、その後5年の歳月が流れたある日、突然来院されることに。。
主訴は「前歯が取れた」という事でした
私は「まさかインプラントが、、」という気持ちで心配していましたが、幸い取れたのは別のかぶせ物、、聞くところによると、この5年間に1度も歯科を受診していなかったそうです。
ということで、恐る恐る口腔内を見てみると。。
驚くことにインプラントは全くメンテナンスをしていなかったにもかかわらず、何の変化もせずに機能し続けていました。しかもこの方は特別プラークコントロールが優れているわけでもありません。
現在インプラント治療に対しては否定的な方もいますが、インプラント治療は正しく行えば(これはメーカーが作ったマニュアル通りに、という意味ではありません)、決して『危うい不安定なもの』ではないと考えています。(もし自分や自分の家族が歯を失ったら、私は迷わずインプラントを選択すると思います)
実際、メンテナンスにおいて何をしているかというと、歯茎を押して腫れたりしていないかを観察するだけ、特別なことは何もしません。
とは言っても、定期検診を受けずに放置する、なんてことはくれぐれもしないでくださいね。