smopによるサージカルガイド
現在インプラント埋入手術においてCTスキャンデータを取り込んだプランニングソフト上で埋入ポジションをシュミレーションし、サージカルガイドを用いてシュミレーションと全く同じ位置に埋入を行う「ガイデッドサージェリー」という方法が主流になりつつあります。
ガイドシステムは各社から様々なものが出ており、どれも優れた特性を持っていますが、今回当院ではスイスのSWISSMEDA社製ガイドシステム『smop』(Swiss Meda Online Planing)を導入することにしました。
骨量が十分にあり安全域が広く確保できる症例であればサージカルガイドは必要無いとする歯科医もいます、確かに予定の埋入位置から若干ずれても安全域内に収まっていれば外科的には成功かもしれません。しかし歯周病学的にはインプラント周囲組織の厚みや高さがとても重要で、それは埋入ポジションに大きく影響を受け、審美学的にはわずかな埋入ポジションのずれが周りの歯との調和に大きな影響を及ぼします。
さらに補綴学的には高齢化社会に向けて補綴装置の設計変更や修理、メインテナンスが容易なスクリュー固定式上部構造が主流となりつつあります。スクリュー固定式の場合アクセスホールが咬合面に露出しますので、わずかなずれが構造欠陥や咬合機能の低下を招きます。
以上のことからインプラントの埋入ポジションは、骨量が十分にあり外科的に容易であっても、歯周病学的、審美学的、補綴学的に成功と言えるポジションはピンポイントであり、そこから1㎜でもずれたら失敗ととらえるべきではないかと考えるようになりました、よってどんな症例であってもサージカルガイドは必要不可欠なものだと考えています。