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咬合学


歯科の学問の中で最も重要なものを1つあげろと言われたら私は咬合学と答えます。
咬合の重要性は大学卒直後に出会った師匠に徹底的に叩き込まれました。

ペリオやエンドがいくら完璧でも最終的な修復物が不完全だと長期的予後に支障をきたします、また咬合はすぐに痛みや不具合を引き起こす事がないので、我々歯科医にとって見落とされやすい傾向にあります。

その師匠のもとで必死になって読んでいた本がこの「オクルージョンの臨床」
初版は昭和51年でいまだにベストセラーという咬合の世界ではバイブル的存在です。何度も読み返していますが、いまだに読み返すと新しい発見があるので不思議です。

歯科医師1年目の頃、私は東京医科歯科大学に研修生として籍を置かさせていただきました、大学で研修している時間以外は夜間診療や休日診療を行っている開業医さんへ見習い修行に行きました、初めての月給は5万円、祝日以外は休みもなく自宅にいるのは7時間だけ、、眠い目をこすりながらも布団の中でこの本を必死に読んでいた思い出があります、当時の私にはわからない単語だらけ、一つ一つ調べながら読み進むので、読み終わるのに1年かかりました。

しかしそんな生活も苦しいと思った事はなく、夢や希望にあふれ歯科の勉強が楽しくてしょうがないという大変充実した日々でした。たぶん人生の中で1番勉強をした時期でしょう。今となってはいい思い出です。